「70歳が老化の分かれ道」感想

70歳が老化の分かれ道という書籍を読みました。人生100年時代と言われる昨今ですが、実際には健康寿命はそれほど伸びていないという現実。今後、少しでも健康寿命を伸ばしていきたいのであれば、現在の健康寿命と言われている75歳を少しでも先延ばしにする必要があり、そのためには、70歳の過ごし方がとても重要であるという書籍です。

医学の進歩、例えばIPS細胞の利用促進などで、どんどん健康寿命もこれからは伸びるイメージを自分の中にはあったのですが、書籍の中で、脳は老化を止めたり、再生したりはできないよという言葉が、なんだかとてもぐさりとささりました。

物忘れが激しくなったようなイメージがあり、記憶が抜けることが日々の中で少なからずあります。他のことに気を取られてさっきまで考えていたことや行っていたことを忘れてしまう、いつも会っている同僚の名前を忘れてしまう、芸能人の顔は覚えているのに名前が思い出せない、などなど、明らかに脳の劣化?を感じながら、いまいち、軽く考えていた自分に、そうか、脳は再生しないんだという現実を知り、生活習慣を70歳ではなく、50歳半ばの今こそ改めていかなければ健康寿命までも持たないかもという恐怖を覚えました。

70代にすべきこととして、いかに運動機能を保つことができるか、いかに脳機能を保つことができるかというこの2点にかかっているようです。

妻が台所でしているちょっとした日々の体操もこれまで馬鹿にしていたのですが、どうしてどうして、こういうちょっとしたことの積み重ねがとても大事であることを知りました。

そして、著者は一気に老け込まないために一番必要なことは、意欲を低下させないことであると言います。きっと未体験ゾーンの70代ですが、いろいろな環境変化(肉体年齢の衰え、可処分所得の低下、家族や友人との別れなど)で、生きたいという意欲も今後どんどん低下する方向に向かっていくのだなということを想像しました。

書籍では、実際にどのような行動を心がけていけばよいのか、常識と思われていることの嘘本当など、さまざまな行動指針について書かれています。

・何事においても引退してはいけない
・働くことは老化防止の最高の薬
・ダイエットしてはいけない
・ちょっとメタボの人の方が元気で長生きしている
・血圧、血糖値はコントロールしすぎない
・免許証は返上してはいけない。

老後の自分自身のことが気になる方は、一度目を通されてもよいのではないかと思いました。